徒然読書感想記

管理人の読書覚書。基本的にネタバレなし。 好みは推理もの。 映画の感想もあり。 2010年livedoorBlogにお引っ越し。since200408

2006年05月

恩田陸「小説以外」

恩田陸「小説以外」2005/新潮社

 タイトル通り、恩田陸の「小説以外」を集めたエッセイ集。読み応えがあります。ぎっちり詰まってます。
 年代順に掲載されていて、語る内容も実にさまざま。
 ただ、これだけ本が好きな作家ですから、読書に関するエピソードが多いのもうなずけます。
 ファンならその本を追読するのも面白いんじゃないでしょうか。

 自分自身の著作に対する思いもいくつか打ち明けられていて、未だに小説家の実感がわかない、とか、小説のネタの仕込みは町にでてみることだ、など語られています。
 実際に町で見つけた不思議なタネがこんな形で物語に反映されているのか! と舞台裏を覗いた気分になれますよ。

豊田正義「DV――殴らずにはいられない男たち」

豊田正義「DV――殴らずにはいられない男たち」2001/光文社新書

 あとがきの「家庭の平和も守れないくせになにが国際和平よ」という(すみません原文と違いますがこんな意味合い)、“殴られた妻”の独白が象徴的でした。
 殴る夫4人とその妻の、それぞれにインタビューをして書かれた4編。

 著者は男性ですが、まず夫の側の言い分を聞いて、そりゃそうだよね~、女の側が悪いよね~、確かによく我慢したよ、と思わず同情しそうになりつつ妻の言い分を聞くと、その印象が覆されてしまう。妻の言い分にも全く理が通っていて、ううん、と唸ってしまう。妻を殴るカラクリとはなんぞや? と考え込んでしまう著者の素直さに好感がもてました。 続きを読む

恩田陸「Q&A」

恩田陸「Q&A」2004/幻冬舎

 最初から最後まで会話文だけで綴られる、異色作。
 とある郊外の大型スーパーで起こった惨事。本書はその関係者に対するインタビューで幕を開けます。
 一体何が起こったのか? 調べても調べても、原因らしきものは何も浮かんできません。
 人々は何故、逃げ出したのか――

 実際遭ったらまさに都市伝説になりそうなこの物語。
「わからない」ことの恐怖を煽るのが、やはり上手いですねぇ。「月の裏側」もそんな感じだったな。 続きを読む

キトレッジ・チェリー「日本語は女をどう表現してきたか」

キトレッジ・チェリー「日本語は女をどう表現してきたか」Kittredge Cherry[Womansword]/栗原葉子・中西清美:共訳/1990 福武書店

 日本に来たアメリカ人が、自国へ帰って日本の女性にまつわる言葉を紹介、解説した本が原書。それの日本語訳が本書になります。
 いわば辞書の逆輸入とでもいいましょうか、言い回しが新鮮で、改めて言われるとはっとさせられる出来になっています。
 石女、OL、里帰り、売れ残り、適齢期、などなど・・・・・・
 スケ番は英語ではBoss Girlっていうんですよ! 続きを読む

須藤真澄「長い長いさんぽ」

須藤真澄「長い長いさんぽ」2006/エンターブレイン ビームコミックス

 ネコ漫画。
 16歳になる愛猫ゆずの、最後の散歩。

 ネコ好きなら泣くんじゃないかな・・・・・・。
 息を引き取る時に旅先で立ち会えなかった、というのは運が無かった、しょうがなかった、と思えますが、どうして病気についてちゃんと調べなかったんだろう、というのは全くそのとおり・・・・・・と思ってしまいました。
 基本ファンシーな絵柄ですが、愛らしいタッチで丁寧に描いてあります。

 しかし、葬儀の際のあのテープは確かにいらないよ(苦笑)
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