徒然読書感想記

管理人の読書覚書。基本的にネタバレなし。 好みは推理もの。 映画の感想もあり。 2010年livedoorBlogにお引っ越し。since200408

2010年05月

映画「書道ガールズ!! わたしたちの甲子園」

映画「書道ガールズ!! わたしたちの甲子園」2010

  面白かったです。いわば王道というか、はみでてないというか、とんがってないというか。私もベタが好きだなぁ、と妙な納得をしてしまった。難をいえば、その良すぎるまとまり具合でしょうか。何しろ、キャラクターに謎がない。全員背景や動機を語ってくれる親切設計(笑)TV企画と知って更に納得……ついでに監督のお名前に引っかかったので、もしや、と思い検索したら、おやまぁこのブログでも辛口した「マリと子犬〜」の方なんですね。とはいえ、脚本は別の方なので、監督の前作を引き合いに出してもしょうがないかも? 

  私が書道パフォーマンスを知ったのは漫画「とめはねっ!」でしたが、実写で見てみると、すごい迫力。あの筆が重さ20キロだとは思わなかった。
キャストの顔にいちいち墨がついてるのを、わざとらしいな〜と思って見てたんですが、あれだけ筆を振り回し、墨を飛ばしながら描いてたら、実際そうなるのかも……まさに格闘技。

今回、書道の部分は吹き替えなしで、役者さんたちの頑張りもひしひしと伝わってきます。


不況で店が畳まれて行くなか、自分たちの町おこしのために奮闘する少女達。
笑いあり涙あり、胸にさわやかな風の吹く、良作。 

初野 晴「退出ゲーム」

初野 晴「退出ゲーム」 2008/角川書店

  これは当たりでした!

  たまたま手に取って読んだのですが、 軽妙な文章と確かな構成。どこか呑気なキャラクター達とぴりりと利いた謎解きが、絶妙ですね。
 

  舞台は高校、吹奏楽部に所属するチカとハルタ。
   ハルタは男ながらも、チカの憧れるさらさらの髪、きめ細かな肌、二重、を全て持っており、なおかつ二人は共に顧問の先生の事が好きでライバル同士。
  私は最初、無駄のない肉付きの体、部分をすっとばして読んでしまったらしく、私の中では、ハルタはむちむちでころころの少年として再生されてましたw よしながふみのフラワーオブライフのごとく。違います。

  あまり部活に打ち込んでいるシーンは出てこないのですが、これが一年生としての生活らしく、じゃあ続編は二年生、三部作三年生で大団円かな、と予想。
  部員が続々と集まってくる様もいいし、実は将来を嘱望された指揮者だったのに教員をやっている顧問という、最大の謎は既に提示されているので、続きが大変楽しみです。

近藤史恵「天使はモップを持って」

近藤史恵「天使はモップを持って」2003,2006/実業之日本社、文藝春秋・文春文庫

とあるオフィスビルで起こる、小さな事件。
さっぱりわからないや〜という新社会人で主人公の梶本大介と、原宿にでもいそうな格好でビルの清掃をひとりでこなしつつ、事件の真相を明らかにするキリコの、短編集。

一応大介の一人称で語られて行くのですが、筆者が女なだけに、男だったら語らないような地の文なのがチョット面白い。
キリコの服装に関していちいち描写が 細かかったり、ダイエットに対して女の子は努力してるんだなぁと言わせたり、電話相手がベテラン女性社員から新人男性に変わっただけで大人しくなるクレーマーがでてきたり。
多分、本物の男性だったら、少しも気にしないであろう事がつらつら述べられていたりします。
果たして、主人公が男である意味があったのか、なかったのか。

まぁ、キリコを引き立たせるために、何がなんだかわからないヨ? という主人公は必要だったかも。だから男性なのかもね? 


キリコの言う「掃除をしているとなんとなくわかっちゃうのよ」 というのは実際そうかも。ゴミ出しには本性が出ます。
解説の新井素子は「見えないひと」という言い方をしてました。こちらもうまいなぁ。 続きを読む

見ル野栄司「シブすぎ技術に男泣き!」

見ル野栄司「シブすぎ技術に男泣き!」2010.01/中経出版


 のっけから辛口で申し訳ないんですが……これ、書店で中身をパラ見できていたら、買わなかったなー、と……しょっぱな後悔。しかも1000円近いので痛い出費。

こういうことをネットで書くと、検索してしまった知人、編集さん、ご本人の目に止まるかもわかりませんが、理由ももちろん書きますので、ご勘弁を。


非常に読みづらいのです。なぜか。


絵は……私は許容範囲内。
漫画(コマ割り、構成)としては……上手くはないけど、こんなもんかなと。
じゃあ何が受け付けないのか、しばらく考えてしまいました。

書き文字だ!

写植(古っ)を一切使っておらず、全部作者の手書き文字なのです。
台詞から説明文から何から何まで。
それが、非常に、読みにくい。 
かなりクセのある文字で、作者の一本気で愚直で不器用な性格が垣間見えるようですわ…… 続きを読む
プロフィール

story2004

QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ