宗田 理「ぼくらの七日間戦争」S.60/角川文庫

 言わずと知れた名作。久しぶりに読みました。やっぱり面白い!
 映画は主題歌も良かったですね。宮沢りえ主演で、話題にもなりました。ラストはポカーンとしてしまった覚えがあるけれど……

 主人公は中学生。クラスの男子生徒全員で廃工場にたてこもり、ラジオ放送で解放区を宣言して大人達に反抗、教師をおちょくるストーリー。
 この「おちょくる」ところがいいんだなあ。絶妙。
 暴力に傾いているわけでもなく、只の子供の反抗というわけでもなく、さじ加減やバランスが、今読んでも実にいいなあと思います。

 こういうこと、誰でも憧れるやね。
 しかし昔は子供だったはずの大人達が、すっかり子供心を忘れて大人になるという図式も、皮肉なもんです。


 さて、彼らには戦争体験のある老人がひとり味方につきますが、彼の話が妙に現在にリンクしています。
 戦争に行って、こわくなかったのか、と聞く子供。そりゃこわかったと答える彼。
 じゃあ言うことを聞かなければいい、と言う子供に、それができないと答える彼。
 どうして? 素朴な疑問に、今とは違う世の中だったんだ、繰り返しちゃいけねえと答える彼。


以下、抜粋ーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーP79
「どうしたらいいんですか?」
「えらい奴が、立派なことを言うときは、気をつけた方がいい」
「じゃ、総理大臣が言ったら」
 中尾が聞いた。
「あぶねえ、あぶねえ。政治家が子供のことに口出しして、ろくなことはねえ。ほら、最近言ってるだろう。少女雑誌に有害なのがあるとか」
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 うわあ。都条例まんまですな。
 これ、今から26年前に書かれた話ですよ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーP80
「おとなって、どうして子供にうるさく言うのかな?」
「そりゃ、いいおとなにしたいからさ」
「いいおとなって何?」
「えらい人の言うことをよく聞く人間だ」
「それがいいおとな? バッカじゃねえのか」
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 私もききたいなあ、健全に育成された青少年って、何?