徒然読書感想記

管理人の読書覚書。基本的にネタバレなし。 好みは推理もの。 映画の感想もあり。 2010年livedoorBlogにお引っ越し。since200408

 初野 晴

初野 晴「初恋ソムリエ」

初野 晴「初恋ソムリエ」2009/角川書店

 「退出ゲーム」続編。
  おなじみ弱小吹奏楽部のチカとハルのでこぼこコンビが、愉快な仲間達と今日ももめ事に巻き込まれます。
  着々とメンバーも増え、(まぁ相変わらず描写は部活中心ではないのだけれど)今回は他校との交流もあり、我らが顧問のピンチもあり。

  個人的には、前作ほどの盛り上がりというかキレがないなぁという感じもするのですが、(収録ラストのお話が、前作ラストより弱いせいかもしれない)高校生活をつらぬく吹奏楽部で普門館出場! という目標が、更に強まった感がありますので、 やっぱり続編は期待なのです。

初野 晴「水の時計」

初野 晴「水の時計」2002/角川書店

  著者のデビュー作であり、第22回横溝正史ミステリ大賞受賞作。
少々文体が固い気もしますが、デビュー作ならではかもしれません。

 「幸福の王子」を下敷きに、生きる事も死ぬ事も叶わぬなら、臓器を必要な人に届けてほしい、と頼む少女と、運び屋としてバイクを走らせる少年。
  タイトル「水の時計」は、もう話も出来ないはずの彼女が、月夜の晩にのみ機械を通して話が出来るところからきています。

具体的には、短編集のようなつくりなので、メインの少年少女の話より、臓器を必要としている人たちのオムニバス作品集、といった形。
  私は最後の、少年の恩師の話がよかったなぁ。

  あとがき代わりに、選考者の評が載っているんですが、あまり童話に沿わなくても良かったんじゃないか? という意見がありました。そのへんは私も同意かなぁ……少年はツバメじゃないもんね。

  しかしこれ、ビジュアル化むつかしいな〜と思いながら読んでました。
  管をいくつも差し込まれながら、徐々に臓物を失って行く少女……昨今は何でもアニメ化実写化ですが、小説ならではという気がします。

初野 晴「退出ゲーム」

初野 晴「退出ゲーム」 2008/角川書店

  これは当たりでした!

  たまたま手に取って読んだのですが、 軽妙な文章と確かな構成。どこか呑気なキャラクター達とぴりりと利いた謎解きが、絶妙ですね。
 

  舞台は高校、吹奏楽部に所属するチカとハルタ。
   ハルタは男ながらも、チカの憧れるさらさらの髪、きめ細かな肌、二重、を全て持っており、なおかつ二人は共に顧問の先生の事が好きでライバル同士。
  私は最初、無駄のない肉付きの体、部分をすっとばして読んでしまったらしく、私の中では、ハルタはむちむちでころころの少年として再生されてましたw よしながふみのフラワーオブライフのごとく。違います。

  あまり部活に打ち込んでいるシーンは出てこないのですが、これが一年生としての生活らしく、じゃあ続編は二年生、三部作三年生で大団円かな、と予想。
  部員が続々と集まってくる様もいいし、実は将来を嘱望された指揮者だったのに教員をやっている顧問という、最大の謎は既に提示されているので、続きが大変楽しみです。
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